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今度の休日、二人で遊びに行くか?
日曜日の朝、そういえば美琴とそんな会話をしたなと俺は思い出した。冗談半分で言ったつもりだったが、もし本当に誘ったらどうなるんだろう。
っていうか、あいつ本当に待っていたりして。携帯電話の前に正座して、今か今かと俺の連絡を……。
んなわけないか。
「タカく~ん、今日お暇?」
そんなことを考えていると、リビングでテレビを見ていたるる姉に声をかけられた。自分の部屋に居た俺はリビングへ移動し、るる姉の座っているソファへと向かう。
「暇っていえば暇だけど」
「じゃあさ、二人でデートしない?」
ソファに座っていたるる姉が後ろを向き、乗り出して聞いてくる。俺はテーブルの椅子に座り、唸り声を上げながら返事をした。
「んー、ちょっと先客があるかも」
「えー!」
肩を竦め、乗り出していた身体を元に戻するる姉。そしてソファの背もたれ部分に顔を乗せ、少し頬を膨らませた。
先客、というのは美琴のことだ。まぁ実際はちょっと違うけど。
とりあえず言い出したのは俺だし、誘うだけ誘ってみるか。
そう思い携帯で美琴の番号を呼び出す。るる姉の視線を痛いほど感じるけど、まぁ気にしないでおこう。
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