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「はぁ!? 自分から誘っておいて何も決まってないの?」
「あぁ。そもそも遊べると思ってなかったんだけど」
「なにそれ? そんな言い訳が通じると思ってるの?」
「じゃあ美琴、お前どこか」
行きたい場所あるか? と聞こうとしたのだが、俺への憎まれ口でまたも言葉が遮られてしまった。
「段取り悪すぎ。行動遅すぎ。電話も遅すぎ。何もかもダメダメね。なんでこんな奴を杉並様は! それも私より欲しいだなんて! この、役立たずー! 役立たずー!!」
「……はぁ。じゃあ、出かけるのやめるか」
俺は思わず呟いた。
まさかこれほどまでに、美琴は俺との約束を期待していたなんて。今度誘うときはしっかり予定を組んで誘おう。
「ごめん、また今度」
「ままま、待ちなさいよ!」
「えっ?」
「と、特別! 特別よ! と・く・べ・つ・に! 無計画でも付き合ってあげるわ!」
「いやでも美琴、怒って」
「怒ってない! 全然怒ってない!」
「……」
ま、美琴がそう言うならいいけどさ。
そんなことを思いつつも、とりあえず話を元に戻す。
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