1章

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私には家族はいても一緒に住んでいない。 両親ともに海外生活。 昔から使用人に育てられた。 このまま独りぼっちなのかなって思っていた時にふと本屋で目に入ったのが『生徒会の一存』。 ここにいる生徒会のメンバーはみんな馬鹿やってて楽しそうだった。 私にはそれが羨ましかった。 勿論これが空想上の話だってことぐらいは理解しているけれども、それでも羨ましかった。 だから私はそんな生徒会を目指そうと思った。 馬鹿みたいに騒ぎまくって、全然生徒会じゃないみたいでも、それを実現させたかった。 そして生徒会に入ることも出来た。 今年のメンバーは『生徒会の一存』とほとんど変わらない。 後は、男子生徒のみ。 ムードメーカーでみんなを和ませてくれて、もしも暴走しても止めてくれる男子がいれば形だけでも誕生する。 「私は、このままの生徒会は嫌なの!! こんな生徒会がいいの」 「あや~、確かにそれはいい案よ? でもそう簡単に上手く事は運べないわ。 それに私たちだけでも十分、こんな生徒会になっているわよ?」 「でも、やっぱりもう1人は欲しいよ」 なんでだろう? 私はわがままな方じゃない。 でも、ついむきになってわがままを言ってしまう。 楓に言っても無駄なのに。 そんな時、 「お~い、入るぞ」 そんな声が聞こえ、生徒会の顧問である、村野先生が入ってきた。 背が高くて朱色の長いストレート。 今年から赴任してきて、美人ですごく頭もいいので学校内でのイメージはいいのだけれど…… でも嫌がらせが大好きな先生なので私はあまり好きではない。
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