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1人の女子生徒が席を立つ。
茶色のポニーテールを左側に結んだスタイルのいい女の子だ。
「待てよ!? じゃああたしはどうなるんだ!?」
「ん? 勿論クビだろ?」
「なっ!? なんでこいつがいきなりやってきてあたしはクビなんだよ!?
それも選挙が終わってもう半月経ってるんだぞ?
しかもなんでこいつは私服なんだよ!?」
まあ当然だろうけど納得していないようだ。
それは俺も同じだけど。
「あの~俺まだ入るって言ってませんよね?」
「ん。 いや言ったじゃないか廊下で。 『連れていって下さい』って」
「それは下駄箱にですよね!?」
俺の反論なんて聞いちゃいない。
すると今度は先生に抗議していた女の子が俺の背後にいきなり周り込んで、首に十字固めをしだした。
それも普通の女子とは思えないほどの力で。
「てめぇは何者なんだよ!? 大体なんでここに来たんだ!? 説明しやがれ!!」
「ちょっ!? ぐえっ……!? ギブ、ギブ……」
「う、る、せぇ!!」
さらに強く締め始める。
誰か助けて……
もう、意識が……
「スト――――――ップ!!」
そんな時、いきなり怒号が飛び、女の子の首絞めが止まった。
「ごほっ、ごほっ……」
俺は首絞めを解除させられたことによりむせる。
「全く、瑞希はやり過ぎだよ!? 少しは冷静になりなさい。 殺す気?」
「けっ、会長さんに言われたかねぇけどな。
でも確かに冷静になれなかったし、マジでやっちまうところだった。
悪いな、少しやりすぎちまったな……」
「やっちまうって……」
瑞希と呼ばれた女の子がさっきとは打って変わって優しい声で話しかけてくる。
だが、俺にはさっき味わった事に対しての恐怖しかなく、応えれなかった。
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