1章

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「まぁ、さっきのは冗談だ」 『冗談かよ!!』 先生の何気なく言う言葉に俺と瑞希さんは同時にツッコむ。 「先生は俺を殺す気だったんですか?」 「私の、趣味は、嫌がらせ、です」 「その言い方を今すぐ止めて下さい!!」 「さて、じゃあ話しをしよう」 先生はやはり俺の話を聞かないで、入口の近くにあったパイプ椅子を組み立てて座る。 瑞希さんもそれに合わせて自分の席に戻る。 それを確認してか、先生が俺を真ん中に行くように指示してから生徒会さんに向けて言う。 「来週からこの学園に転校してくる生徒だ。 私もまだ名前は知らないから自己紹介を頼む。 …………いや、やっぱり少し待て。 ちょっと忘れ物をしてしまった……」 そう言うと、さっさと生徒会室から出ていく。 しかしすぐに戻ってきて、また不敵な微笑みを浮かべていた。 「さて、水谷。 もう1人紹介するのを忘れていた。 入ってきてくれ」 「は、はい……」 先生の言葉で、小柄の女の子が入ってくる。 身長は155cmよりも前後の女の子で、透き通った肌に金髪碧眼の整った容姿。 まだ幼さを残した顔で、とても可愛らしかった。
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