184人が本棚に入れています
本棚に追加
「こ、こんにちは……」
『可愛い……』
全員が同じ言葉を漏らしていた。
だが女子生徒は全員の言葉に対して怯えている。
「先生……あたしはなぜここに連れて来られたのでしょう?」
「ふむ。 それはだな、お前には生徒会に入ってもらおうと思ったからだ」
『また拉致ったんかい!!』
また全員でツッコむ。
この先生は本当に先生なのだろうか?
どう見ても横暴すぎるとしか思えない。
けれども女の子は、首を傾げて俺たちを見てから頷く。
「えっと……あたしは拉致されたんですか? それとも生徒会に入れって言われたのですか?」
「ふむ。後者が正解だ。
理解が速くて助かるぞ。
さて、それでは自己紹介から始めようか。」
先生はどこからともなく椅子を用意して、俺と女の子を生徒会室のホワイトボード側に座らせる。
そして名前を書くように促して、俺の方を見てくる。
「それでは君から聞こうか?」
「はぁ……えっと、この学園に転入することになった長瀬 隼(ナガセ ジュン)です。 よろしくお願いします」
「よろしく~」
「よろしく」
「よろしくな」
「よろしくお願いします」
全員が拍手をしてくれる。
なんだかんだで受け入れられた事に俺は嬉しかった。
前の学校では絶対にありえないだろうから……
最初のコメントを投稿しよう!