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「これならば問題はないだろう。
会長は最初に決まっているので動かせないが、五十嵐が全体の指揮を取る総務にして、代わりに書記を蟻我瀬にすれば、うまく構成が出来るというわけだ」
先生は最初からそうする事を前提にしていたような口ぶりだ。
どう考えても、今の時期に生徒会の役員表を提出するなんておかしい。
それも生徒会の選挙はすでに終わっているとするならば、それから約2週間程で提出するはずだ。
だが、他の誰もそんなことにはツッコまずに話が進む。
「なるほど、それならば確かに認められるでしょう。
けれど、この2人を生徒会にどうやって参加させるんですか?」
今度は一緒に立ち上がっていた背の高い女子が言う。
しかしそれも計算通りの口ぶりで先生は言った。
「五十嵐……お前なら私の考えが読めているはずだ。
なぜ生徒会の選挙が終わってから、新たに勧誘できるかなど……」
「ええそうですね、わかっています。 ですが、確認です」
「ふむ。 いいだろう。 教えてやろう。
一応、私は全生徒の成績はわかっている。 なぜなら試験の得点管理は私の仕事の一つなのだからな。
それは転校試験も同じだ。 そしてこの2人は成績トップの秀才だ。
この2人さえ良ければ点数を教えてやろう」
『それは止めてください!!』
俺と蟻我瀬さんはうまい具合にハモル。
こんな所で成績を発表されるのは絶対に嫌だ。
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