Prologue I

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「へぇ、長瀬は生徒会室で堂々と後輩に告白するんだねぇ……それも私の前で……」 「いや、だって!! そうしないと、梨沙ちゃん泣きそうだったでしょ!?」 「先輩、あたしとは遊びなんですか!?」 「ほら、変な風に取られたじゃないですか!?」 「そんなことは知らないわよ!! 長瀬が軽率に告白するのが悪い!!」 「してません!!」 「えっ……嘘なんですか!?」 「もう勘弁して……」 「あら、私の亜弥と妹の梨沙に何かしたのかしら?」 「これはこれは楓さん…… なにもしてませんし、俺が何かするわけないじゃないですか……」 「ふぇぇぇっ、かえで~!! 長瀬が私の目の前で梨沙に告白しちゃったよぉぉぉ!?」 「姐御!! でもその後にあたしにそれは嘘だって言うんです!! 先輩には失望しちゃいました!!」 「そう…… 隼くん、覚悟は出来てるのかしら?」 「待ってください!! 俺は何もしてませんよ!? ただ言われた通りに答えたら、この2人が曲解を述べてるだけです!!」 「先輩、約束の時間に遅刻した上に、そんなこと言うんですね?」 「うっ……可愛い顔しても、そんな約束はしてないから、騙されません!!」 「へぇ、じゃあ告白はどういうつもりなのか、教えてくれる?」 「だから、告白じゃないですから!! なんで知り合って3日で告白してるんですか、俺」 「わかったわ。 つまり隼くんは遊び人だったのね?」 「ち・が・い・ま・す!! 俺はそんなことはしません!!」 「ちぃ~っす!! ……ん? なんか、あたしはいちゃまずい雰囲気か?」 「こんにちは…… って、長瀬くんはどうして帰ろうとしてるんですか?」 「いやいや、他意はないよ…… ただ、勝手な新事実が捏造されていくせいで、俺の居場所がなくなりそうなんで、消えようかなと……」
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