2章

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「おはよう。 さて、今日は連絡事項がある」 朝のHRで村野先生が言う。 それは天の救いかもしれないほどいいものだった。 「昨日転校してきた長瀬だが、既にファンクラブが出来たらしいな。 だが今年度の学校方針としてすべてのファンクラブは解散することになった。 生徒会役員やその他数人のファンクラブは即刻解散することになる。 それに対する生徒の苦情は聞かないぞ」 「え~」 「そんな~」 「どうしてですか~?」 クラス中からブーイング。 確かにそりゃ出るよな…… 俺はともかく他の人のファンクラブも潰されるのだから…… だが先生は涼しげに言う。 「では聞いてみようか? 長瀬、昨日1日は大変ではなかったか?」 「え? あ、まぁ……」 「そうだろう。 実はな、長瀬をはじめとするファンクラブの出来ている生徒から苦情が出ているのだ。 追っかけもといストーカーをどうにかしてほしいとか他にも沢山あるが時間がないが省略するぞ。 そのため校長に掛け合って廃止案を昨日の会議で提出、可決が決まった。 ちなみに生徒会もこれに対して関与してないから藤堂や長瀬を恨もうとするなよ? 私の独断でやった行為だから恨むなら私を恨め。 だがこれだけは言っておく。 お前たちはファンクラブを作って何がしたいんだ? 最近は親衛隊とか言う奴まで出来ているらしいが、それが本当にその子のためになっていると思うか? 違うと思わないのか? 長瀬を始め、みんな平穏に過ごしたいはずだ。 だが、お前たちは本人から承諾を得ないで作っている。 それはお前たちがその子たちの自由を奪っているのと同じことだ。 人の自由を奪えるものなんていないんだ。 もし意見するものがいるなら私のところまで来い。 じっくり話し合いと行こうじゃないか。 以上だ」 先生は真剣な態度でそう言うと教室を出て行った。
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