184人が本棚に入れています
本棚に追加
/500ページ
私立西陵高校。
俺は明日からここに通う事になる。
試験は簡単にパスできた。
西陵は中々高い進学校で、金持ちの集う所でもあると聞いていたけれども、前の学校でトップを取っていた俺にとっては楽勝だった。
学費は成績が良かったためか、奨学金で全額学校側が負担するとのことだし問題はない。
今日は学校の先生に挨拶と、下見見学に来ていて今から帰るところなのだが、どこかで道を間違えてしまったようだ。
現在道に迷い中……
結構校舎が広いため、どこを歩いたか見当もつかなくなっていた。
「……どこだよ、ここ……」
2階から下に降りる階段を見つけたまではよかったが、入口がわからない。
とりあえず探すしかない。
俺は適当に歩いていくと、目の前に美人な女性が歩いていた。
おそらくここの学校の教師だろう。
その人に助けてもらおうと声をかけようとするが、その人は俺を見ると、微笑しながら話しかけてきた。
「お前が転入生だ!!」
「………………」
「お前が転入生だ!!」
「…………えっと、そうですけど……」
なんだろう? 妙に痛い人の気がする。
なぜ名探偵を気取って指を差して、そんなことを叫んだのだろうか?
「説明でもしてやろうか?
なぜ私は君が転入生だと思ったかを」
「いえ、別に結構です……」
俺はそのまま先生の傍を通り抜けようとする。
関わったらヤバい気がする。
それに早く帰らないと来週からの準備があるしな。
そう思って通り抜けようとすると、先生らしき人に服を掴まれてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!