1章

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「着いたぞ」 「いやいやいや…… ここ思いっきり『生徒会室』って書かれてるじゃないですか!?」 教室のプレートには『生徒会室』と書かれている。 そして周りはただの廊下。 下駄箱なんてない。 それどころか、1階から2階に戻っている。 この先生を信用したのが間違いだった。 そう考えていると部屋から、 「新たな道を切り開けるものが運命を変えられるのよ!!」 なんて女子生徒の声が響いてきた。 それを聞いた時に感じたことが、まず恐怖。 何故だろう? 入ってはいけない気がする。 入ったら後悔しそうだ。 「先生……帰りたいです」 「ん? あ、そうだな。 おーい、入るぞ」 聞けよ!? なんで無視なんだこの先生!! だが俺のことを無視したまま先生は部屋に入っていった。 さてどうしようか? 1.帰る。 2.ここで待つ。 3.自分から部屋に入る。 答えは一つだな。 「帰ろう」 もうあの先生には頼らない。 学校に転入しても一生関わらない。 なんとかしてもう一度職員室に戻って、他の先生を頼ればいいだろう。 そう思って元来た道を歩き始めた。 が。 「おーい、入ってくれ」 先生の声が聞こえ、俺はビクッとする。 タイミング良く言ってくるからビックリしたのだ。 ここで逃げたら、生徒会にも目を付けられるよな? じゃあどうする? 1.それでも帰る。 2.部屋に入る。 答えは一つ。 「……失礼します」 俺は意を決して、中に入った。 だって、さっきの脅しを思い出したからだ……
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