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その少年の両足は無かった。そして両手も…
こんなハンデを抱えてるのに、こいつ…なんであんなに笑っていられるんだろう…
まだ、小学生の中学年くらい。
「ねえ、テニスって楽しい?」
くったくの無い笑顔で少年は聞いてきた。
俺は、どう答えたらいいかわからず言葉を探しあぐねていた。
「すみません、うちの子テニス見るの大好きなんです。」
母親は、困っている俺に助け舟を出してくれた。
「僕、わかるよ、お兄ちゃんがこの中で一番強い選手だって!」
「…!」
「今日も、調子悪かったみたいだね、悔しいよねもっともっと楽しんだらいいのに」
「つぎは、頑張ってね、また見にくるから。」
少年は笑いながら僕に手を振った。
肩から少ししかない手で
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