リベルテ

opening

「……」
少年は周りを見回した

気づけば自分はベッドで寝ていたようだ

しかしおかしい

少年は薬品会社ルミネスの実験体として実験室へ運ばれたはずだが

どう見てもここはルミネスにある自分が閉じこめられていた牢獄ではないと気づいた少年はベッドから降りようとしたその時

「やっと気がついたかい？少年」
扉を開けたのは金髪の女性だった

「ここはどこ？」

「僕は誰？なんて言わないよね？ここは私が経営している万屋『リベルテ』の治療室だよ」
少年は顔をしかめた

万屋？自分はルミネスの実験体で実験されていたのではなかったのか？

なのになぜここにいるのだと彼は考える

そこに導かれた答えはひとつ

自分はこの女性に助けられたのではないかという結論に少年は達した

「君は薬品会社ルミネスの実験体にされかけた。でもその時うちの騎士（ナイト）達がルミネスを襲撃したんだ。それで君は運良くここに運ばれたってことだよ」

「襲撃……？」
襲撃とは一体どういうことだとその小さな体で考える少年

「そ。うちの大事なだーいじな資料を盗んだから返して貰ったの。まぁ、こちらが強制的にそうしたんだけどさ」

「……」
少年は冷酷な目で女性を見つめる

「それで？君はこれからどうするのかな？少年」