あの一言で
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俺は……助けることができなかった……。 あいつが何故いじめを受けていたかすら分からない。 俺はため息をついてそいつの机に座った。 そしてまた傷をなぞる。 俺が非情の顔を浮かべていると。 教室のドアが急に開いた。 俺の体は一瞬飛び上がる。 「ん?何やってるん?」 中に入ってきたのは俺の友達の矢野だった。 「いや……何でもない」 俺はゆっくり机から立ち自分の机に突っ伏した。
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