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「ところで明日試合なんだけど見にくるかい?チケットならあるけど」
定良はチケットを出したが、幸信はそれを首をふって断った。
「どうせお前の圧勝だろう。ファン達にやれよ」
定良はプロになってまだ日は浅いが、今の所無敗の成績を誇ってる。
「う~ん。だけどね、明日の相手は少し手強いんだよ。だから」
定良は幸信の懐に飛込んでアッパーを振り上げた。幸信はそれを軽いステップで後退してかわした。
「やるねぇ。今のは完全に不意打ちだとおもったんだけどね。かわすなんて凄い勘だよね」
定良はそう言いながらジャブを当てていく。幸信はそれをかわせるものはかわして。残りをブロックした。
「気配でばればれなんだよ」
ジャブの間を無理矢理かいくぐりボディブローを当てる。
「グフォ」
一瞬、あまりの威力にかがみ込むが。そこから意表をついてカエルパンチがヒットする。
「って、いつの間にそんな意表技を」
「君様に練習したんだよ。君相手に真っ向に戦うのは馬鹿のする事だからね。でも、普通ならダウンするのに君の体はどうなってるんだい?」
「うけながしたんだよ」
幸信は防御すら間に合わないと気付いたら、体の力を逆に抜いてうけながした。
「気配をよむとか。うけながすとか。全く君はとんでもないね。どうやって覚えたんだい?」
多少ダメージが残ってるうちにたたみかけようと。定良が前に出る。
「二ヶ月くらい熊のいる樹海で山籠もりしてみろ。できなきゃ死ぬから」
幸信はまけじと前にでて打ち合った。
十分後。幸信達は手を泊めた。
「もう少し体力つけろよ」
幸信はまだ余裕があるが。定良は息もたえたえだった。
「無茶を・・・言うな。こっちは・・・ハッ・・・五分試合だよ。しかも、君の・・・・ペースにつきあったらばてるに・・決まってる」
限界を越えるペースをしなければ幸信のペースについていけない。
「スパーリングに協力してやったんだから文句言うな」
試合の前日にスパーリングに協力するのは毎度の事だった。
「まったく、この天才とまで言われた僕に手加減する余裕があるから凄いよね。まぁ、すぐに君を越えてみせるけど」
「ぬかせ。圧倒的なスピードでおいていってやるよ」
お互いに睨みあった後、二人して笑いだした。
「その、圧倒的な自信。それでこそ僕の目標だ」
「お前も、俺に追い付くなんてよく言うぜ」
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