第一章・再会

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「ところで明日試合なんだけど見にくるかい?チケットならあるけど」  定良はチケットを出したが、幸信はそれを首をふって断った。 「どうせお前の圧勝だろう。ファン達にやれよ」  定良はプロになってまだ日は浅いが、今の所無敗の成績を誇ってる。 「う~ん。だけどね、明日の相手は少し手強いんだよ。だから」  定良は幸信の懐に飛込んでアッパーを振り上げた。幸信はそれを軽いステップで後退してかわした。 「やるねぇ。今のは完全に不意打ちだとおもったんだけどね。かわすなんて凄い勘だよね」  定良はそう言いながらジャブを当てていく。幸信はそれをかわせるものはかわして。残りをブロックした。 「気配でばればれなんだよ」  ジャブの間を無理矢理かいくぐりボディブローを当てる。 「グフォ」  一瞬、あまりの威力にかがみ込むが。そこから意表をついてカエルパンチがヒットする。 「って、いつの間にそんな意表技を」 「君様に練習したんだよ。君相手に真っ向に戦うのは馬鹿のする事だからね。でも、普通ならダウンするのに君の体はどうなってるんだい?」 「うけながしたんだよ」  幸信は防御すら間に合わないと気付いたら、体の力を逆に抜いてうけながした。 「気配をよむとか。うけながすとか。全く君はとんでもないね。どうやって覚えたんだい?」  多少ダメージが残ってるうちにたたみかけようと。定良が前に出る。 「二ヶ月くらい熊のいる樹海で山籠もりしてみろ。できなきゃ死ぬから」  幸信はまけじと前にでて打ち合った。  十分後。幸信達は手を泊めた。 「もう少し体力つけろよ」  幸信はまだ余裕があるが。定良は息もたえたえだった。 「無茶を・・・言うな。こっちは・・・ハッ・・・五分試合だよ。しかも、君の・・・・ペースにつきあったらばてるに・・決まってる」  限界を越えるペースをしなければ幸信のペースについていけない。 「スパーリングに協力してやったんだから文句言うな」  試合の前日にスパーリングに協力するのは毎度の事だった。 「まったく、この天才とまで言われた僕に手加減する余裕があるから凄いよね。まぁ、すぐに君を越えてみせるけど」 「ぬかせ。圧倒的なスピードでおいていってやるよ」  お互いに睨みあった後、二人して笑いだした。 「その、圧倒的な自信。それでこそ僕の目標だ」 「お前も、俺に追い付くなんてよく言うぜ」
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