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今はまだ、概念として認識できなくても、それは必ず、ずっと存在しうる。
いつか、それに気づき、思い出す日を、待っている。
―*―
「――はあっ、はあっ……、ま、まって、セトっ!!」
「またなーい!」
一面の草原に満ちた、清き天界。
日の光の下で遊ぶ、まだ幼い少年たちは、どこまでも無邪気だった。
「おーいセトラスっ、次はおれとだ!」
「いいよー!」
ルシウスの勝負に二つ返事で了承するセトラスは、息が上がった結衣を一人残して、すぐに草原の彼方へと走り去った。
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