プロローグ

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「セト……」 小さく、彼女は呟いた。 その言葉は、単にセトラスだけに助けを求めているわけではなかった。 『……さて、三周がリミットになるよう組み替えなければな』 呟きを聞いたか否か、おもむろに道化師は立ち上がると、時計盤の元へと向かう。 『どの道この芸術品を止めることなど、(あた)うものか──』 そう遠くない刻限のことを考え、道化師は薄気味悪い笑みを浮かべたのだった。
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