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「……」
しかし彼女はそれには答えず、一歩、力なく前に歩み出た。
それに、“メア”と呼ばれた奴が、おもむろに目を向ける。
そして、再度呟いた。
「――お母、さん……?」
確かに、そう呟いたのだ。
背筋が、下から凍りついてくような感覚に襲われた。
次の瞬間、
『――ゆ、い……?』
その二文字を、奴は、口から発した。
「(な……!?)」
“メア”は、確かに、彼女の名を言い放ったのだ。
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