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――ゴアアアアッ!!
「うわっ!?」
「なんだ!!」
突如として、列の背後から、群青色の炎が、這うように襲う。最後尾の二人は直撃を受け、瞬時に燃え尽きた。
「皆、武器を構えろ!!」
雄志がそう叫んだ次の瞬間にはもう第二波が襲ってきて、武器を準備していた二人が、さらに灰燼と化す。
「……っ!」
無防備だったとはいえ、ものの数秒で神族四人が絶命した現況に、残った雄志とエランの二人は、戦慄を覚えた。
カン、カン、という靴音と共に、炎の這ってきたその奥から、赤黒いマントに身を包んだ男が現れる。
それに対して、威嚇するかのような低い声で、雄志は訊いた。
「……何者だ」
『てめえらこそ何者だ。勝手に他人様の世界を踏み荒らしやがって、どういうつもりなんだ』
だが、その者の言い分ももっともだった。実際に雄志は、自分たちがしたことをしかと理解していた。
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