実験

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「これから、僕が仮定した、能力についての理論を話そう」 「なんだよ、突然」 のび太は、ソファーに座りながら、 ベッドで寝そべっている、スネ夫に言った。 「後で話すと言っただろうが。それに、能力について少しでも知っておいたほうがいいだろう」 「まあ、そうだね」 スネ夫はうなずいた。 「なら、まず貴様にやってもらうことがある」 のび太は、鋭い眼光でスネ夫を見た。 「っ…、な、なんだ?」 スネ夫はゴクリ、と生唾をのんだ。 「そうだな…、ビー玉20個と、分厚い鉄板を出せ」 「は、はあ?ビー玉ぁ?」 予想と違う答えが返ってきて、スネ夫は肩透かしを食らってしまった。 「はやくしろ」 わかったよ、と言ってスネ夫はビー玉20個と、厚さ30センチはある鉄板を出した。 「よく見ていろ」 そう言って、のび太はビー玉を5個ほど拾い上げ、鉄板に向かって投げつけた。そして、 「スキル選択、拡散する死の弾丸〈ショットガン・デス・バレット〉」 のび太が言った瞬間、ビー玉は鉄板にぶつかり、轟音を上げた。 「ひっ!?」 のび太はスネ夫が悲鳴を上げたにも関わらず、残りのビー玉も鉄板に投げつけ、能力を発動した。 結果、分厚い鉄板に大きな風穴が空いた。 「な、なあ、のび太ぁ今何をしたかったんだ?」 「威力の…確認と、使用限界…、そして、能力の、代償…の確認…だ」 のび太はかなりつらそうに言った。 「能力には…、代償…が必要、だ。 貴様も…何かを、代償にして、いるはず…だ…」 そう言い残すと、のび太はそのまま倒れこんだ。 「お、おい!のび太ぁ!…って、寝てるし…」 全く、心配させやがって、とスネ夫は怒りながら、風呂に入りに行った。
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