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「む、まだあの青猫は帰ってないのか」
のび太は、朝起きてすぐ押し入れを覗いてみたが、ドラえもんはいなかった。
「ふん、朝帰りすらしないとは……二回戦か?」
まあいい、とのび太はいつもどおり学校へ向かった。
「ふん、不気味なほど静かだな」
のび太は、いつもの通学路とは、何かが違うと感じていた。
いつもは騒がしいこの場所が、静まり返っているのだ。
「…そこに隠れている者たちよ、出てこい」
のび太が言うと、ぞろぞろと武器を持った5~6人が現れた。
それはのび太が見覚えのある近所の人たちだった。
「ふん、出てこいと言って、出てきたのは初めてだな」
のび太は冗談っぽく言ったが、それに反応するものは、いなかった。
全員正気を失っているような目をしているのだ。
「ククク、組織が送り込んだ刺客というわけか、おもしろい」
のび太が笑うと、刺客たちは一斉に構えた。
「いいだろう、我が力を見せてやろう――」
のび太が構えようとした瞬間、大きなエンジン音が聞こえ、スポーツカーが、刺客たちに突っ込んだ。
「む?なんだ?」
「乗れ!早く!」
運転手に言われ、のび太はスポーツカーに乗り込んだ。
そして、全速力でそこから離れた。
「ふん、貴様か、余計な真似を」
「おいおい、ひどいな、せっかく助けてやったのに」
「まあ、礼は言っておこう」
のび太は運転手に言った。
「のび太に礼を言われるなんて何年ぶりだよ」
スネ夫は、笑いながら言った。
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