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「で、今何が起きている?」
のび太とスネ夫は今、いつもの空き地で話していた。
「よくわからないんだ。ただ不思議な力が使えるようになって、それでとりあえず力を使ってみてたんだ。そしたらのび太が襲われてて…」
「ふん、力…か」
のび太は少し考えて、
「貴様の能力と、能力を使えるようになった経緯を洗いざらい説明しろ」
と、鋭い眼光でスネ夫を睨みながら言った。
「おいおい、あんまり睨むなよ…」
スネ夫は少しビビりながら言った。
「本当、のび太は変わったよな。あの日以来」
「黙れ。はやく能力について話せ」
のび太は、氷のような声で言った。
「ご…ごめん…」
「いいから話せ」
わかったよ、とスネ夫は能力について話し始めた。
「ぼくの能力は、自由に物を手にいれる事ができるんだ」
「ふん、チートだな」
「ああ、すごいだろう」
あれも能力で出したんだぜ、とスポーツカーを指差す。
「で、経緯は?」
「えっと、今日の朝、なんか信号みたいなものが頭にビビっときてさ、使えるようになったんだ」
「雑な説明だな」
「仕方ないだろ。実際そうだったんだから」
「使用時の感覚は?」
「うーん、これが欲しいと思ったら物が出てくる。それだけで、特に体に変わった感じはないよ。」
「そうか――」
のび太が何が言おうとした瞬間、周りにある電線に雷が落ちた。
「む?」
のび太が視線を前に向けると、そこには初老の老人が立っていた。
「ひひひ、餓鬼共ぉ!わしの能力の実験台になるがいい!!」
「ククク、空き地名物、雷おじさんか」
「笑い事じゃないよぉ!」
闘いが始まる。
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