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だが、下駄箱にはもう崎原はいなかった。そんな時間経ってないし…その辺にいるはず。
俺は上履きから、靴に履き替えると軽い走りで学校の門の前にいった。
やっぱり遠くには行ってなかった。
そこには、木にもたれ掛かっている崎原の姿があった。機嫌が悪そうにムスッとしている。
ふと崎原は門の所に目をやると、俺と目があう。そして、すぐに左手にもっているカンをみた。
顔が赤くなる崎原。
やっぱり崎原のか…。でも何でこいつ、こんなに写真をとっているんだ?崎原って写真部だったっけな?
…というかこの学校、写真部自体なかったな。確か数年前に廃部になったとか。
「あのさー、このカンって崎原の…」
「違うわよ!」
返事が早かった。
「でも崎原。お前さっき男子トイレ見てたじゃん」
……………。
黙ってしまった。
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