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5分くらい待っただろうか。
ようやく崎原の口が開いた。
「ねぇあんた…一つ聞きたいんだけど」
「?なんだよ…聞きたいことって…」
すると崎原は俺の左手で持っているカンを指差してこう言った。
「その中身をみて、変だと思わなかった?」
崎原は睨み付けるように俺を見ている。
俺は一瞬怯んだが、返答は早かった。
「いや…変とは思わなかったよ。ただ…不思議だな、とは思った」
正直、驚いたとしか思わなかったくらいだ。
崎原はそっか、と安心したような顔をしてまた俺を見た。
「変だとは絶対思ってないんだよね…」
まだ疑われていた。
「大丈夫だって。変だとは絶対思ってない」
「本当?」
「本当」
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