綾子

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綾子は人妻。 夫の収入だけでは家計を支えきれず、 小さな会社で兼業主婦だ。 結婚してかなり経っているにもかかわらず、 子宝に恵まれていない。 すでに夫婦としても子供は諦めており、 何年もセックスレスが続いている。 もともと綾子にはファザコンの気があり、 年上の男性から命令されると密かに悦びを感じてしまうタイプであったが、 結婚した夫は年上ではあるものの頼りなく、 どちらが年上か分からないほどだった。 若い頃は美貌とスタイルを武器に、 言い寄ってくる男は後をたたないこともあった。 それなりに遊んでいたし、 充実したセックスライフを楽しんでいたが、 結婚して以降は自粛していた。 子供がいない分、 大きく体型が崩れているわけではないが、 それでもやはり年齢から来る衰えは隠せず、 年を取るごとに体型を隠すような服装を好むようになっていた。 漠然とした結婚生活への不満は日々募るものの、 浮気に走るほどの勇気もない。 綾子だって人妻だ。 性欲もあるし、 人肌恋しい時もある。 しかし結婚して以降は言い寄ってくる男性もおらず、 年上の男性に命令されて普段では考えられないような恥ずかしいことを強要されることを妄想し、 今日も自慰に耽っている。 夫はすでに性的な対象としては見れなくなっており、 妄想の相手は会社の上司の浩一であることが多い。 浩一は綾子の直属の上司ではないが、 誰にでも好かれる人柄を頼りに、 入社以降たびたびフォローして貰っている。 仕事は優秀であり、 温厚な人柄からは考えられないほど的確に仕事をこなしていく。 浩一は綾子のタイプでもなかったが、 端正なルックスも合わせて女性社員からの評判も良い。 給湯室で若いOLが、 「私、浩一さんなら抱かれてもいいかもww」 などと冗談を言っていることを、 綾子はたびたび目にしていた。 【浩一さん…今日も綾子をたくさんいじめてぇ…】 妄想の中ではいつも浩一は綾子の思うとおりにいじめてくれる。 現実では若い子にも人気のある浩一に遠慮してしまう綾子だったが、 妄想では大胆だ。 結婚生活への鬱屈した不満、 夫以外の男性との妄想から来る背徳感などが混ざり合い、 今日も綾子は一人、 快感の海へ沈んで行った。 「綾子君、ちょっといいかな?」 「はい!」 突然浩一に呼び出される綾子。 自慰をした翌日は罪悪感から浩一を無意識に避けていたこともあり、 突然の呼び出しにドギマギしてしまう。
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