約束。～五年後のあたしたち～

～ 約束 ～

けろは今なにをしているのか、聞いてみた私だが…

本当は知っている。
いつだったかな。
就職して、産休に入る前だっただろうか。
仕事が終わった後、駐車場で槇本くんのお母さんと話したときに聞いていたから。

その時、槇本くんのお母さんは、槇本くんの話をしてくれた。
だけど、ぶっちゃけ三年間話をしたことが一度もない。
そして、私の口から出た言葉が「毛呂はどうしてるんですか？」だった。
私から見ると、槇本くんとけろは仲良しだから。猿越くんとも仲がよかった。

槇本さんは「あ～毛呂くん？今、岡山におるみたいよ。」

今は働いとるんですか？って聞くと「うん、就職したみたいよ」と、働いている会社の名前まで教えてもらった。

まだ彼女と続いてるんですか？「続いとるみたいよ～」と教えてもらった。

まだ付き合ってるんですか～。長いですよねー。って話をした。

──私

こんなこと聞いてどうするんだろう。
槇本さんは、槇本くんに私が妊娠していることを話しているみたい。けろの耳に入るのも、そう先ではなさそうだ。

そんなことがあったから。
だけど、私が知っているなんて、けろは知らない。
話をこれからする上で、先に聞いていたほうが、もしものときのためだと思い聞いた。