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――良樹side
「よっしー好きだよー」
「何だよ、いきなり。」
麻里はそう言って俺に抱き着いた。
周りに野球部の奴等がいて「ヒューヒュー」と冷やかされる。
「んー…好きだなぁーって、思っただけ!!」
「ハハッ、なんだそれ。」
俺は抱き着く麻里の頭を撫でてやった。
川口麻里。
女に興味がない俺でも知っていた奴。
学校のアイドルと野球部の奴等が騒いでいたから知っていた。
だから、2年になって教室に入り「おはよっ!あ、えっと……よっしー!」と声を掛けられた時はあぁ、こいつが、と思うだけで、大して興味がなかった。
けど、麻里と話すと意外に話があって、楽しくて、時折見せる笑顔が好きになった。
一目惚れ……なのか、会ってすぐに好きになった。
こんな俺が麻里と付き合った訳。
それは、夏、その日は甲子園の地区予選決勝の試合だった……
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