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――康太side
「あみたん本当に大丈夫かなー?」
帰り道。笹山抜きでいつもの4人で帰っていた。
「亜美ちゃんなら大丈夫でしょ?」
「でもあの子今日授業全く聞いてなかったのよね~……今頃教科書とにらめっこしてるかも。」
笹山が教科書とにらめっこしている姿を想像して小さく笑う俺。
でも今日の授業教科書に載ってないところもやったから分からないんじゃ……
「俺、教室に忘れ物したから戻る。」
俺はみんなにそう言ってみんなと反対側に走った。
笹山に恩返しをしたい。
笹山は本当の俺を見つけて受け入れてくれて俺を救ってくれた。
そんな笹山には心から感謝してる。
こんな事でしか返せないから。
俺は必死に教室まで走った。
教室にはやっぱり教科書とにらめっこしている笹山がいた。
「笹山!」
俺が名前を呼ぶとビクッと肩を揺らしゆっくり俺を見ると笹山は固まった。
「俺が教えてやるから。」
こんな台詞言えるのはきっと笹山だけ。
本当の俺を見つけてくれた笹山の力に少しでもなりたい。
素直にそう思った。
俺は一通り笹山に教えると笹山はスラスラと問題を解いていく。
真剣な笹山を眺めながら俺は意識が朦朧としてきてそのまま眠ってしまった。
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