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――康太side
今日は始業式。だが俺は妹達と一緒にある場所に来ていた。
「康にぃ、お花!」
「お兄ちゃん、お線香。」
美空にお花、美佳に線香を受け取り、お墓に供えると妹達と手を合わせた。
両親のお墓。
3年前に両親は事故でこの世を去った。
今日がその命日なのだ。
しばらく手を合わせると中学2年生の美佳と小学6年生の美空はそれぞれの学校に俺は保育園に美希を預けにいった。
そして、次に俺が向かった場所はさっきとは違う別の墓地。
俺はその中にある「矢島家」と書かれたお墓の前に立ち、花を添えて手を合わせた。
「花菜、あれから3年だな。」
愛しの人を亡くしてから3年の月日がたった。俺はまだ愛しの人の死を引きずり、前を向けないでいた。
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