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帰り道は天城くんと並んで歩く。
外はもう真っ暗だった。
「もう少しで夏休みだね。」
「………」
「笹山?」
「………え?あ、うん。」
私はさっきの出来事が頭から離れずにいた。
帰り道を私達はどんどん歩いていく。
私はさっきの事を聞こうと思って口を開こうとすると誰かと肩が当たった。
「……あ!ごめんなさい。」
「うわ~痛いな~おねぇちゃん。おじさん腕痛めちゃったよ。」
私が頭を下げるとそんな声がしてまた顔をあげる。
そこには2人組のチンピラがいた。
「おねぇちゃん。病院代は?んー……10万くらい?」
「そんなの持ってません。」
最悪………どうしよう。
「そんな肩が当たったくらいで大げさですよ。」
私がオドオドしていると天城くんが私をかばってくれた。
天城くんは「笹山。こんな人達放っといて行くよ。」と言って私の手を掴んで歩き出そうとしたが1人のチンピラが天城くんの手を掴んだ。
「おいおい。金払ってくれねーと帰せないよ。」
「は?あんたらに払う金なんて1銭たりとも持ってないんだけど。」
「なんだと!くそガキ……」
その時一人の男が天城くんに殴りかかろうとした。
「天城くん!!危ない!!」
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