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――亜美side
「……ん……」
目を開けると知らない天井が広がり知らないベッドに寝ていた。
「痛っ!」
口の中が血の味がして痛い。
「笹山!……大丈夫か?」
ふと隣を見ると心配そうに私の顔を覗いてる天城くんがいた。
そういえば私、天城くんをかばってチンピラに殴られたんだ……
そんな事をぼんやりと思い出す。
「………ごめん……本当にごめん。」
天城くんは私に必死に謝ってくる。
「え、全然大丈夫だよ!」
私が笑顔でそう言うけど天城くんは何も言わずに俯く。
「笹山。歩ける?」
私はベッドから起き上がる。
「余裕だよ?」
「…………帰ろ。」
ここはきっと天城くんの家。
そしてここは天城くんの部屋だと思う。
「あ、うん。」
天城くんは私の鞄を持って部屋を出る。
私もベッドから出て天城くんを追いかける。
その時1枚の写真がふと目に入ったけど見て見ぬふりをした。
天城くんと私が廊下を歩いていると中学生くらいの女の子が前から歩いてきた。
「美佳。この人送ってくるから美空と美希頼む。」
「はいはい。おねぇちゃん大丈夫~?」
「え!?あ、うん。」
「お大事にね?」
中学生くらいの女の子多分美佳ちゃんがニコッと笑って手を振ってくれた。
私もペコッとお辞儀をする。
そして私達は天城くんの家を出て私の家までの道のりを歩いた。
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