10.真実

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美佳ちゃんは少し俯く。 「花菜さんの時はお兄ちゃん花菜さんのお母さんに土下座して「俺のせいです。」ってずっと………ずっと謝ってたんです。」 天城くん。 時々悲しそうに私を見て笑うのは、花菜さんを思い出していたから? 「美佳ちゃん。もしかして花菜さんって天城くんの部屋に……」 「はい。」 美佳ちゃんは1枚の写真を取り出す。 それは前に天城くんの家に来た時私が帰り際に目が着いた写真。 写真は一度破られたみたいでそのあときれいにセロハンテープで元通りにされている。 天城くんが少し幼くてその隣には可愛い女の子。 その2人が幸せそうに笑うツーショットの写真。 「お兄ちゃん。高2になったらいきなりメールし出すわメール見て笑うわで少しずつ明るくなってきたかと思えば、最近は学校に帰ってきたかと思えば部屋に閉じこもって………」 美佳ちゃんは私の目をじっと見つめる。 その目が時々見る天城くんの目に似ていてドキッとする。 「亜美さん。お兄ちゃんは臆病なんです。怖いんです。きっと。亜美さん達が離れていってしまうんじゃないか。自分のせいで傷付けてしまうんじゃないか。………だからああやって、距離を置いてしまうんです。」 私は無性に天城くんに会いたくなった。 私が立って玄関に走ると美佳ちゃんがある場所を教えてくれた。 きっとそこに天城くんがいるはず。 私は家を飛び出すと走り出した。
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