02.康太の過去

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――康太side 「お前な、両親の命日だからって……遅刻はよくないぞ。」 「……すみませんでした。」 今、俺は職員室にいる。HRが終わると担任に呼び出された。予想にはしてたけどやっぱり説教か。 「まぁ、両親の事とお前の学力からして多目に見るが………」 「……ありがとうございます。」 そこで担任は何かを思い出したように「あっ。」と言った。 「そう言えば、お前の隣笹山だよな?」 「……それがなにか。」 笹山と聞いてさっき話しかけてきた隣の席の子を思い出す。 「あいつなー多分授業中うるさいと思うがうまくかわしてくれよ。」 先生はため息をついて「もういいぞ。」と俺の肩を叩いた。俺は職員室を出ようとしたが 「あ、それと天城!」 「……はい。」 呼び止められて振り返る。 「前髪長いぞ。前から言ってるが切れ。」 「…………はい。」 それだけ言うと俺は職員室を後にした。
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