更に もう一つのオリンピック

違和感

「ハルト!パス!!」

チームメイトに手を挙げてパスを乞う。

パシッと流れてきたボールを敵から逃れるようにバックにジャンプして取ると、そのままゴールのボードへ放り投げた。

ガンッ…パシッ…。

綺麗な弧を描いて、赤いラインに当たりリンクに落ちる。

『イェーイ!!』

チームメイトとハイタッチをして、ゴールを讃えあう。

中学２年の秋、とある地方で開かれた３on３の大会で、俺たちは決勝進出を決めた。