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無刀鞠亜。(ムトウマリア)
僕が彼女に出会ったのは高校一年生の春のことだ。
無刀は心臓に重い病気を患っているらしく、体育はいつも日陰で休んでいる。
そのため、肌は雪のように白い。
成績は学年トップクラス。試験の順位表ではいつも上位に無刀の名前が記されている。
体育が出来ない分頑張っているのだろうか。
友達はいない、ようだ。無刀に寄りつく者は誰もいない。高校一年生の時はいたのだが、話しかけられてもいつも無視。誰が何を言っても無視なのだ。
窓側の席なので空をいつも眺めている。授業中も。
先生は注意しない。どちらかといえば無刀に怯えているようだ。
―――そんなふいに無刀のことを思い出した下校中、僕は物語特有の2ページ目にしていきなり怪物に襲われるというベタな展開を体験するのであった。
「うわぁぁぁぁあ!!!!!」
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