はじまり/Ⅰ

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僕の前には、黒いセーラー服に黒髪を靡かせて、白く細い手で血だらけの刀を持って立っている人影が見えた――… 「む…無刀…」 そう、無口で誰とも話さないあの無刀。 彼女はゆっくりと僕のほうを振り返る。 「………」 雪のように白い肌、血のような真っ赤な瞳。 はやり無刀だ。 「…鈍くさい男」 「は?」 「聞こえなかったの?ならもう一度だけ言ってあげる。鈍くさい男」 「いや、あの…え?」 「私が通りかかっていなかったら貴方、死んでいたわ」 「あ、あの…」 あれ、無口じゃねぇの?登場してからものすごい喋ってますけど!!
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