緑の瞳の少女

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切り裂いて、貫いて、踏み潰す。 1分足らずで10匹の犬を全て破壊したマトは新たな獲物を求め、ラナの頭を抱えたまま村中を駆け回った。今や、狩る側だった犬達が狩られていた。マトというたった1人の少女によって。 と、マトは銃声を耳にした。 ガガガガガガ 「また!」 そこには人が、そして何より敵が居る。ラナを殺した奴らが。 マトは全力で銃声の聞こえた方へ走った。 数秒でマトは拓けた、広場のような場所に出た。そこでは15匹の犬と6人の人が居た。1人は赤ん坊を抱いた女で白髪頭の老人と一緒に2人の若い男性に守られている。男性達はマシンガンを持っており、犬や最後の1人に向けて発砲していた。 「なかなかしぶといわね…。早く死んじゃいなさいな」 最後の1人、緑の瞳の少女は宙に浮かぶドクロの上で優雅に座っていた。黒いフリルのついたドレスを着て、身の丈以上の大鎌を脇に置いた少女は抵抗を続ける男性達を冷めた目で見ている。 マトは足を止めていた。 何だあの女は? 何で敵といる? あの鎌についた赤い液体は何だ? マトはラナの頭に目をやる。ラナが何か教えてくれないだろうか?そんな期待を今更ながらに抱いたマトだったが、ラナはやはり何も言わない。 そして、緑の少女に視線を戻そうとしたマトは違和感を感じ、ラナを見た。
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