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『ウォーーーン』
次第に集まり、20を超えたヴォルフの内一体。一体だけ肩に緑色のスパイクが付いていた。その個体の遠吠えを合図に他のヴォルフが一斉にマト目掛けて走り出す。
「…お前達も……!」
マトの表情は怒りに染まり、ロックカノンを天井へ向ける。ロックカノンは蒼い光を発し、形状を変えた。正面に降り下ろされると同時に光は弾け、ロックカノンは新たな姿を見せる。
新たな銃身は短くなったが太くなり、銃口が3つに増えた。
「ヴォルカノン…!」
ズガガガガガガガガガガ!
ヴォルカノンが火を吹く。ロックカノンの数倍の速度で実弾を銃口を回転させながら吐き出していく。左上部に開いた排出口から薬莢が飛び出し、マトの足下に溜まっていった。
ヴォルフの群れとヴォルカノンの弾幕は正面からぶつかり、ヴォルフは弾幕に耐えきれずに前から次々と破壊される。
辛うじて上へ跳んで避けたヴォルフも居たが、それは男性が放った弾丸に当たってバランスを崩し、弾幕の中へと叩き落とされていった。
「助太刀するぜ、嬢ちゃん!」
「………」
男性はマトの隣に立ち、マシンガンを撃ちながらマトに白い歯を見せて笑いかける。しかしマトは黙ったままヴォルフに向けてヴォルカノンの引き金を引き続けた。
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