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余りにも一方的な虐殺。マトの心の底から何かが沸々と煮えたぎってくる。
「さぁ、あとは貴女を連れて行くだ…け?」
大鎌を一振りしてマトに振り返ったデッドマスターの動きが止まる。直前まで浮かべていた余裕が表情から消える。
「チッ…リミッターを外されたら厄介だ…」
上半身を起こし左目を押さえたマトの異変を感じ取り、デッドマスターは大鎌を振りかぶってマトに急接近する。
「ハアッ!」
大鎌がマト目掛けて振り下ろされる。
ギィン…
しかし、その一撃はヴォルカノンの銃身によって防がれる。
「っ!」
マトは顔を上げ、片目でデッドマスターを睨み付けた。その眼光に怯み、デッドマスターはバックステップで距離をとる。
「………」
マトは無言のままヴォルカノンを杖代わりに立ち上がる。
「ブラック★ロックシューター…本気で私に歯向かうつもり…?」
「……がう」
デッドマスターが最終確認といった風に尋ねる。が、マトは小さく何かを呟いた。
「何…?」
「違う。私は…ブラック★ロックシューターじゃない……私は……!」
マトはヴォルカノンをロックカノンへと換装する。そして、左目から手を離した。
「私はマトだ!」
マトの左目に、蒼い炎が灯った。
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