序章~黒衣の剣士

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 今度は黒衣の少年が片手剣を構え地を蹴った。  あっという間に懐に入り込み剣を振る。  だが簡単には男はやらせない。大剣を横に傾けて防御した。  甲高い金属音を鳴り火花が散る、男は黒衣の少年の片手剣を受け止め押し返す。  後退した黒衣の少年は体を低くすると片手剣を地面に当たるすれすれの体勢をとる。  男は両手剣を両手で持ち変える。  どうやら片手で持っていては勝てないと判断したのだろう。  それを持っていたかのように黒衣の少年は再び地を蹴った。  先程の数倍の速さで距離を詰める、男は速めに両手剣を振りかぶった。  右斜めに跳び右回転をしながら黒衣の少年の片手剣が男の両手剣をぶつかる。  激しい金属音と共に火花が舞い手首に重い衝撃が走る、一回転し終えると黒衣の少年は片手剣を振り抜き着地する。
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