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「頭を上げて…実くん?」
先生の声に、ゆっくりと顔を上げた実さんと私。
…先生…実くんって…
「僕は、小万里ちゃんの義理の兄の、滝澤史貴(ふみたか)です。こちらこそ、よろしく」
先生はそう言うと、右手を差し出し、実さんも右手を差し出して、2人は握手を交わした。
私はその姿を見て、すごく嬉しくなった。
いきなり会った身内に、実さんはきちんと挨拶をしてくれた…
先生は嬉しそうに、
「まさか、美緒里より先に、小万里ちゃんの彼氏に会えるとは思わなかった。怒られそう…」
と言って、ニッコリ微笑んだ。
あっ…先生の最強スマイルだ…
あれ?
私には効果が薄れたスマイルだけど、実さんの耳が赤く見えるのは…何故?
…てか、篠崎さん、真っ赤!!
篠崎さんは分かるにしても、実さんまでって…
さすが、老若男女問わない最強スマイル…
「クスクス…」
思わず、声をたてて笑った。
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