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「でさ、告れば?って言ったら、もうすぐ卒業だからって…それっきり。
でも、嬉しいよ。あの頃、想い合ってた2人がさ、また出会って恋人同士になって…こうして俺の店に来てくれたんだから」
…なんでコイツ…知ってるんだ?
あの頃の小万里の気持ちまで。
「時田センパイ…なんで…?」
小万里も疑問に思ったよな。
「あぁ。それはさ、何も言わず通り過ぎた実に気付いた君が、実よりも切ない顔して、実の背中見てたから」
そう言って、宏二はニコッと笑った。
宏二の店を後にして、車でマンションへ向かう。
「時田センパイのお店、また連れて行ってくださいね!」
嬉しそうに言うから、
「あぁ…また今度な」
と、頭をわしゃわしゃと撫でた。
「約束ね!」
…ったく、宏二のヤツ…
いろいろ暴露してくれたな…
でも…まぁ、いいか。
小万里のおかげで、宏二の店に行く気になったから。
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