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「あの…実が?嘘だろ?」
私だってびっくりしたけど…
「ホントです」
「はあ…何やってんの?アイツ。小万里ちゃんをほったらかしにしとくなんて…だから、不安なんだ?」
カァ…
胸の内を言い当てられ、恥ずかしくなり俯く。
そんなに私は分かりやすいの?
「小万里ちゃん、その気持ちをちゃんと実に伝えたの?」
俯いたまま、頭を横に振る。
「言わなきゃ分からないよ?」
「それは、分かってます。でも…忙しいの分かるし、疲れてるみたいだし」
悠那からは、それとなく様子を聞いていたから…
補佐する人がいない今、全てを実さんが一人でこなしているらしい。
出来るところは、悠那が手伝っているみたいだけど、それでも、その前からの溜まった仕事がある。
早く補佐を…と、人事に掛け合っているけど、人材探しに手間取っているようで…
来週の内に決まればいい方だと…松本部長が言ってたらしい。
「でも…小万里ちゃんはカノジョでしょ?遠慮し過ぎな気もするよ?
ダメって言われたけど、声が聞きたかった…って言われたら、嬉しいと思うけど?」
そう…
私だってそう思って、一度だけ電話した。
この時間なら大丈夫かな?って考えて…
でもね…
「掛けましたけど…出てくれなかったんです。もちろん、折り返しの電話もメールもありませんでした。
昨日の夜、今週になって初めて実さんの方から来たメールは、今夜のことでした」
一気にそこまで言って…何で篠崎さん相手に、私は愚痴ってるんだろう…と情けなくなった。
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