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――!!
「えっ?…あの…先生、なんで?」
まさか、このタイミングでそんなこと聞かれるとは思ってなかったし…
なんで先生が知ってるのかが分からなかった。
「聞いたよ?美緒里(みおり)から」
あっ…そうだった。
お姉ちゃんには話したんだった。
「えっと、あの…」
先生と篠崎さんの後ろにいる実さんの間に、視線をさ迷わせる。
…実さん、難しい顔してる…
「………」
言葉が出てこなかった。
どうしよう…
「私です」
低くて心地良い声がして、肩に大きな手を感じた。
―えっ!?
驚いて見上げれば、ふわっと香る香りと共に笑う実さんがいた。
あっ…
“ダイジョウブ”
実さんの唇がそう動いていた。
そして、一歩前に出た実さんは先生の前に立った。
「ご挨拶が遅れて申し訳ありません。
小万里さんとお付き合いさせていただいてます、廣瀬実と申します。
よろしくお願いいたします」
頭を下げる実さんを見て、私も一緒に頭を下げた。
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