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…もう一度…?
瑛のことは、ずっと心のすみに引っ掛かっていた。
でも
だからといって…
この手をとってもいいのだろうか…
「理、ダメか?」
思考を破る、上目遣いの瑛の甘えた声。
………コイツ
分かってて、やってるだろう。
でも……
俺は…
握られていた手をほどき、瑛の左手をとる。
「だったら…これは必要ないよな?」
その指に光るモノを、指先で弾く。
「ああ…新しいの買うよ。理、はめてくれるか?」
なんだか…
もう…
「ああ…」
「理…」
瑛の綺麗な顔が近づく。
その唇に、自分からキスをした…
自分から、もう一度その手をとったのだ。
だから…
今度はもう離さない…
離れてやらない…
そう心に誓った…
~fin~
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