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結局、お店が準備中の時間になってから、デザートになった。
「わぁ…綺麗」
お皿の上に、アイスクリームとフルーツが飾られ、その上に金色に輝く細い透明な何かが丸められて置かれてあった。
「時田センパイ、この金色の…何ですか?」
「これは、アメなんだよ。細く糸状に細工して、固まらないうちに丸めるんだ」
「へぇ…アメなんですか。こんなに細くってすごい。
じゃあ…食べるときは?」
「あぁ…フォークでアメ細工を崩して、アイスクリームと一緒に食べてみて」
言われたとおりにやってみると、カラメルのようなほんのりとした苦味とアイスクリームの甘さがちょうど良い。
「すごく美味しいです」
大満足なランチタイムだった。
「宏二…いろいろありがとう」
「時田センパイ、遅くまでありがとうございました。
とても美味しかったです」
ふたりでお礼を言えば…
「礼はいいよ。本当…ささやかだけど、俺からの祝いだからさ」
時田センパイは、頭を掻きながら嬉しそうに笑った。
また来ることを約束して、時田センパイのお店を後にした。
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