第十一章

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 川まではほんの200メートルほどしかなかった。オレ達はあっという間に川に到着し、そこから川上の方向へ歩いて行った。         川を上って行く途中、何度もキメラに遭遇した。そのことが゙白い家"が近くにあるという事を決定づける理由になりオレ達の緊張感をより引き立たせていた。   キメラとの戦闘は多数相手を得意とするオレと耕平と翼がメインになり、能力を使用する際、体力消費が激しい大樹と浜崎は基本的に後方で待機といった形をとり、前に進んだ。   だいたい2時間ほど歩いた辺りから、周りの様子が少し変わっていた。地面、樹木、岩などに大きな円形のくぼみが出来ている。大きさはまちまちで、小さいものは親指サイズで、大きいものでは5メートルほどもある。……一体何のくぼみなんだ? オレはより警戒心を研ぎ澄まし、前へ進んだ。後ろで大樹が小さく笑っていることに気付かずに。
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