第十一章

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『みんな!あそこに建物があるぞ!あれ、゙白い家"じゃねぇか!?』   浜崎の指のさすほうには森林に囲まれた巨大な建物があった。それは大規模な学校みたいだった。しかしこんな山奥に学校なんてあるはずがない、オレ達はそれが゙白い家"であると確信した。   『あそこまでは大体…500メートルってとこだね。北の方向にあったのか。真心君は知らないうちにあの夜、山を一つ越えてたみたいだね。急ごう!』   オレ達は南の下流から北の山頂へ向かって今まで歩いてきた。しかじ白い家"はその山のむこう側にあったのだ。これでは見つからないはずである。早速オレ達はそれに向かって歩き出した。   …無意識のうちにさっきよりも少し歩くスピードが速くなっていた。これでみんなを゙白い家"から解放できる、そう考えるといてもたってもいられなくなった。そしてオレはずっと准也のことを考えていた。
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