第十二章

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『どうした?来ないならオレから行くぞ…。』   …やはりそうだ! ゙目の前にいる"慶太は、話している時には口が動いていない。それに…攻撃した時の耕平の゙手応えが無い"という言葉…。アレは実体ではなく、ただの映像だということを確信させた。   したがって、慶太ば動かない"ではなく、゙動けない"のだ。……慶太はきっと光の能力者、そして実体はおそらく屈折などを操作して見えなくしているのだろう。   タネが解れば問題無い。オレは自分を中心に半径2メートルほどの薄い水の膜を慶太に気付かれないように作った。   『……時間切れだ。行くぞ。』   そう慶太が言った直後にオレの後方で膜が弾けた。   『馬鹿が!飛び散れ!』   オレは振り向き、右腕に氷のグローブを生成し、゙本当の"慶太を殴り飛ばした。   『な……に……!?』   何もいないはずの地面でドスッという音がして土けむりが舞った。
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