第十二章

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『な…なんでオレの居場所がわかった?』   慶太は声を濁らせて言った。ダメージは十分だ。コレなら勝てる、オレはそう確信した。   『おまえ…光の能力者だな。そしておそらぐ屈折の操作"。本当の自分は光を調整して見えなくし、代わりに自分の映像を正面に作り出してカモフラージュさせてたんだ。』   オレがそう言うとすぐに直立不同の映像は消え、土けむりが舞ったところから人が現れた。こいつが本物か……。慶太は今度はきちんど口を動かして"言った。   『さすがだな…真心。だてに学力トップクラスじゃないという事か。小細工はもう通用しないな……。肉弾戦だ!!』   物凄い勢いで慶太がオレの方へ走ってきた。ノーガードだ。どうやら慶太は戦いというものをあまり知らないらしい。オレは得意のボクシングスタイルで構えて迎え撃つ準備をした。 攻撃範囲にきた慶太はそのまま腕を大きく振りかぶった。   (いただいた!)   オレは慶太の拳がオレの張った水の膜に当たる時にカウンターを………あれ?膜が弾けない…?   ………    しまった!!!    『避けろ!大樹!!』    『遅せぇ!!』
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