第十二章

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 こいつ、能力が強い上に頭もキレる。……かなり手強い相手だ。しかし勝算はある。どうにかして相手の位置がわかればそこを凍らせてしまえばいい。どうすればいい?どうやって見えない相手の居場所を掴めばいい?   オレは見つけだす方法を考えた。考えているうちに、さっきの慶太の言葉がふと浮かんだ。   (……味方に気を取られる…それがオレの弱点…その考えを変える事ができれば……)   ………。      いや、違う!    オレは一つだけ方法を思い付いた。成功の確率は5割…いや3割ほどか。しかし今はそれしか思い付かない。オレは思い切って実行することにした。   『浜崎!!!翼の体力を回復させろ!!!急げ!!』   オレは声を張り上げて浜崎に言った。その時、横目で耕平の様子を確認した。なんとか戦えるくらいまでは回復している。慶太がすかさず言った。   『させるかよ!!』   『翼と浜崎には触れさせねえ!!』   そう全力で叫び二人の所へ走るオレ…。するとまた後方で慶太の声がした。   『同じ手に何度も引っ掛かりやがって!そんなに消されたいならまずはお前から消してやるよ!』   バキ!!!
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